鬼ごっこで捕まる瞬間の、あの感覚を覚えているだろうか。逃げながらも、どこかで足が止まりそうになったこと。鬼返しをしながら立場が分からなくなる感覚。ドロケイで牢屋に入れられ、誰かが助けに来るのをただ待っていたあの時間。授業中に突然指名され、全員の視線が自分に集まる、あの息の詰まる一瞬と、答えた後に訪れる妙な解放感。
記憶は体に残る。脳は緊張と解放のセットを、強度の高い体験として刻み込む性質がある。そしてその刻み込まれた回路は、大人になっても静かに生き続ける。
特定の状況で妙に落ち着く自分、逆に妙に緊張する自分。その感覚の根っこを辿ると、意外なほど幼い頃の記憶に行き着くことがある。今持っている性癖や感情のパターンは、どこかで一度、遊びの中で経験したものかもしれない。
つまり、今の自分が変態なのではない。ずっと前から、そういう人間だったのかもしれない