おねえさまへ
お姉様の文章漬けになって以来、頭がおかしくなりそうです。
今、私はお正月の帰省の急行に揺られながら、お手紙を書いています。時期をずらしたからか、乗客は疎らです。
お姉さまは私に、「私の文章を読んだら、その時の身体の感覚を鮮明に書き取りなさい」と言いましたね。私はお姉さまとの約束を守らないということは考えられないため、読みながら書き連ねようと思います。
目で文字を追っているだけなのに、息をするのも忘れてしまいます。文字は追えているはずなのに、そこから少しずつ意識が身体へ移っていってしまいます。考えてはいけないと思うほど思考は揺らぎ、快楽に飲み込まれそうになりました。また、頭の中には霞がかかり、熱に浮かされたように火照りはじめました。
読み進めていくと、指の間がむずむずしてきて、内腿を合わせるように伸ばしたり擦ったりしてしまいます。水かきでは物足りなくなり、足首をストレッチするみたいに伸ばしたり曲げたりを繰り返していました。靴下についたワンポイントが足首に擦れ、その刺激で体が敏感になり、さらに電車のシートヒーターで腰回りを温められたことで、意識が下半身に集中してしまいます。目は潤み、耳は紅くなり、首筋がほんのり汗ばんできました。
手が伸びそうになるのを誤魔化すためにスラックスを握って耐え忍びましたが、指に力が入り続けていたせいか、少しずつ手が湿り、スラックスにシワがついてしまいました。母に叱られてしまいそうです。